私的勉強用ブログ

もう一度読む山川○○シリーズより

自然と災害

日本の自然は豊かであるが、残酷な災害をもたらす。

温泉は地熱発電の恵みも、火山噴火・地震の災害も、

日本が地球の割れ目(プレートの境界)に位置している証明で、

美しい火山は噴火によって溶岩流・火砕流・火山灰をもたらし、

地震津波を引き起こす。

 

日本の気候は小笠原高気圧が暑い夏の渇水を、

シベリア高気圧が日本海側に冬の豪雪をもたらす。

夏の前後に現れる梅雨と秋霖の前線はしばしば集中豪雨をもたらし、

これに熱帯生まれの台風が豪雪と強風を運んできて、

洪水や崖崩れなどの風水害を引き起こす。

 

日本は気象観測が始まって以来、

水害の死者がなかった年は無いと言われるほど気象災害が多いが、

その豊かな降水が農業・工業・都市水道などをうるおしている。

 

災害に際しては、しばしば人災という言葉が聞かれる。

自然が起こす稀有な現象自体は災害ではなく自然現象であって、

それが災害となるのは

人間の築いてきた文明・技術・対応にあるという発想からきている。

 

たとえば、東日本大震災に際して起こった福島第一原子力発電所の事故は、

直接的原因は地震津波の自然現象であるが、

原子力発電に頼る現代日本のシステムを生んでいる文明が背景にあり、

自然現象に耐える制御技術が未熟であるか、

あるいは技術はあってもそれを用いる政治・経済的対応ができていないことなど、

さまざまな要因の複合によって起こされている。

 

公害と呼ばれる一連の問題群も、人災と考えられている。

1960年ごろから、工業生産の急増と都市化の進展に際して、

自然環境を構成する諸要素のバランスが破壊され、

土壌汚染・水質汚濁・大気汚染など、

生活環境の悪化や生命・健康にかかわる被害が生じた。